相続手続きは、亡くなった方の遺産を法律に基づいて相続人に分配するプロセスです。相続手続きについて、基本的な流れを説明します。

1. 被相続人の死亡

相続手続きは、被相続人（亡くなった方）が死亡した時点で開始されます。

2. 相続人の確定

相続人が誰であるかを確定する必要があります。日本の民法に基づく相続人の順序は以下の通りです：

配偶者は常に相続人となりますが、子供や親、兄弟には以下のような優先順位があります。
第１順位　子供（実子、養子、非嫡出子）
第２順位　父母（子供がいない場合）
第３順位　兄弟姉妹（子供も父母もいない場合）

3. 遺言書の確認

被相続人が遺言書を残している場合、その内容に従って遺産を分配します。遺言書がある場合でも、遺留分（法定相続分の一定割合）を主張する権利は相続人にあります。

4. 遺産の調査と評価

相続財産の全体像を把握するため、被相続人の財産（不動産、預貯金、株式、負債など）を調査し、評価します。

5. 遺産分割協議

相続人全員で遺産の分割方法を話し合います。合意が得られた場合は、遺産分割協議書を作成し、全員が署名・押印します。合意が得られない場合は、家庭裁判所で調停（審判）を受けることになります。

6. 順確定申告、相続税の申告と納付

順確定申告の申告期限は、原則として被相続人が亡くなってから4か月以内です。相続税の申告期限は、被相続人が亡くなってから10か月以内です。相続財産の価値が一定額を超える場合、相続税が課税されます。必要に応じて税理士に相談することをお勧めします。

7. 名義変更手続き

遺産分割が決まったら、不動産の名義変更や預貯金の解約・名義変更、株式の名義書換えなどの手続きを行います。

8. その他の手続き

相続手続きには、その他にも社会保険や年金の手続き、公共料金の名義変更などが含まれます。

相続手続きは法律的な手続きや書類が多く、専門的な知識が必要になることが多いため、司法書士や税理士、弁護士などの専門家に相談することが一般的です。